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磁性体を空輸する場合

航空計器に影響を及ぼさないようにする必要があります

 磁性体を航空輸送する場合、通常の梱包では航空計器に影響を及ぼす恐れがあるため、IATA基準の漏洩磁束規定に合わせた梱包状態にする必要があります。 これはIATA危険物規則書において定められた規定であり、磁性体に限らず危険性を有する物質はすべてこの規則に従う必要があります。 これは安全輸送のため絶対に必要な事であり、もし緊急事態が発生した場合に正しい取り扱いができるように、どんな危険物が航空機に搭載されたかを把握しておかなければならない為です。
 磁性体を空輸する場合、正しく梱包されていれば「安全に輸送可能な状態」となります。
 弊社では、IATA危険物規則書に則した梱包にて磁気漏れ対策を充分に行い、安全遵守の荷姿で出荷することが出来ます。 詳しくは弊社までお気軽にご相談ください。

航空貨物梱包の実際

梱包イメージ

 弊社ではマグネット応用機器を梱包する場合、上図の通り製品(磁性物質)を磁気強度を減らすBOX内に納め、製品から出ている磁力が遮蔽物に吸収・遮断されるようにします。 さらにその磁気遮蔽BOX全体を木枠で囲むことで包装基準を満たすようにしております。
 測定は包装物表面の任意の点からの磁界の強さを計測しております。磁力測定には、十分な感度を有する高精度テスラメータ(ガウスメータ)を使用します。

分類 対象物件 航空輸送 判断基準
【非磁性物件】
一般貨物として
輸送可
包装された磁性物件の表面上の任意の点から
2.1m(7ft)の距離において、
0.002Gauss(0.159A/m)未満、
または磁気コンパスの振れが2度未満の物件
【磁性物件】
危険物として
輸送可
包装された磁性物件の表面上の任意の点から
4.6m(15ft)の距離において、
0.00525Gauss(0.418A/m)未満、
または磁気コンパスの振れが2度未満の物件
【磁性物件】
航空輸送不可 上記A,Bの範囲を超える場合
 梱包後は、磁気遮蔽BOX+木枠の2重梱包となるため重量・容積とも通常梱包の数倍になることが殆どであり、危険物扱いのため搭載便や積載場所にも制限が出てきます。 それだけ磁性物を空輸することはハードルが高いとも言えます。

対象物を専用の鉄製容器に梱包 対象物に合わせて製作する専用の磁気遮蔽BOXに梱包

さらに鉄製容器を木枠梱包
磁気遮蔽BOXをさらに木枠で囲む

防磁梱包についてのよくある質問

防磁梱包とはどのような梱包なのですか?

 可能な限り磁力が外側に漏洩しないように梱包した状態の事です。
例えば、磁極の両極間に鉄棒などの磁力止め棒を吸着(短絡)させたり、両極が互いに反発するようにして、磁力が外部に及ばないよう磁力の遮蔽を工夫した適切な容器で梱包することです。

磁気の遮蔽基準はどのようになっていますか

磁性体を梱包する場合のIATA包装基準953.によりますと、包装物表面の任意の点から4.6m離れた点の磁界の強さが

  • コンパスの針の振れが2度未満
  • 0.418A/m未満
  • 0.00525ガウス未満

  • となるように磁力を遮蔽することです。
     コンパス法での測定が困難である事から「4.6m離れて0.00525ガウス未満」=「コンパスの針の振れが2度未満」としています。

    なお2016年6月より、梱包表面の4.6mのみならず2.1mの距離からも測定することで、規定値以内であれば危険物ではなく「一般貨物として」空輸を可能にいたしました。

    IATAにおける磁性物質とはなんですか?

     IATA危険物規則書.の定義によれば、梱包された貨物の表面の任意の点から2.1m(7ft)離れた点において、0.002 Gauss(0.159A/m)以上のものと定義されています。

    磁性物質イメージ

    よって、梱包された貨物の表面の任意の点から2.1m(7ft)離れた点において0.002Gauss(0.159A/m)未満であれば、磁性物質でないため一般貨物として輸送できます。

    梱包の大きさに制限がありますか?

     弊社で取り扱い可能な貨物の寸法・重量制限があります。以下は梱包後の最大サイズです。
    なおサイズ外であっても形状によっては対応可能な場合がございますので、詳細につきましてはお問い合わせ下さい。
    ・最大重量:900kg
    ・最大寸法:2800mm×1500mm×1000mm

    磁性物質とはどんなものですか?

     皆さんもご承知の通り、磁石・磁性物質とは下記の性質があります。  

  • 鉄を引きつける
  •  
  • 磁石どうし引きつけたり反発したりする(極性)
  •  
  • 北を指す

  •  磁性物質は磁力があり航空機の計器を誤作動させる可能性があるという理由で、強い磁力をもつものは航空輸送に限り危険物扱いになります。
     なお電磁石は通電しない限り磁石にならないため、磁性物質には当たりません。

    4.6mおよび2.1m離れて0.00525ガウス未満はどのような機器で測定するのですか?

     最終梱包状態の表面の任意の点から4.6m離れた箇所にプローブを設置し測定します。0.00525G = 0.525μTであるため 計測機器には0.0001G = 0.01μTから測定できる高精度・高分解能のテスラメータ(ガウスメータ)を使用します。

    正確な測定を実行するため、測定機器を30分以上ウォームアップし、プローブとガウスゼロチャンバーを同じ温度で調整します。

    磁性を持つ製品とはどのようなものがありますか?

     弊社のマグネット応用機器以外にも、磁力・磁石を応用した商品はいろいろあります。 身近な例として、金属板にメモなどをとめる文具磁石、カバンの留め金、健康用品の磁気ネックレス、水の磁気処理装置などがあります。 スピーカーやモーターにも永久磁石(フェライト磁石)が使用されています。 磁力を応用したアルミと鉄の選別機や異物としての鉄の除去機もあります。
     IATA危険物規則書 第2章 2.2 隠れた危険物の項に、磁石は個々の磁力は弱く非危険物であっても集積した状態になると磁性物質の定義に該当する場合もあるので注意するよう述べています。 具体的な物件として金属製の柵、金属配管、金属製建材をあげています。

    身の回りの磁気製品の磁界の強さはどのくらいですか?

    磁石は材質によって、また同じ材質の磁石でもグレードによって異なります。また組込方法によっても発生する磁界の強さが異なります。 ここでは代表的な磁気製品の磁界の強さをご紹介します。

    製品名 磁界の強さ
    (単位:ガウス)
    磁界の強さ
    (単位:マイクロテスラ)
    ボード紙止め用磁石 300G 〜 900G 30000μT 〜 90000μT
    冷蔵庫の開閉部磁石 400G 〜 800G 40000μT 〜 80000μT
    音響製品のスピーカー部 80G 〜 250G 8000μT 〜 25000μT
    各種家具の開閉部磁石 600G 〜 800G 60000μT 〜 80000μT
    磁気ネックレス 800G 〜 1,200G 80000μT 〜 120,000μT
    ハンドバッグの開閉部磁石 360G 〜 800G 36000μT 〜 80000μT

    表の数値はあくまでも目安です。磁気製品により強弱が異なります。

    地磁気の強さはどのくらいですか?

     地磁気の強さは地球上で異なります。赤道付近がもっとも弱く高緯度になるにつれ強くなり、極が一番強くなります。方位磁石(コンパス)はこの原理を利用しています。 太陽の活動や電離層などの影響で揺らぎがありますが、弊社埼玉工場付近は約0.45ガウス[G] (45μT)となっております。

    磁石は危険物ですか?

    磁性物質は航空機のコンパスに影響を与える恐れがあるため、その他の有害物件と定義されています。UN2807磁性物質(Magnetized material)は第9分類(クラス9)の危険物となります。

    磁性物質取り扱いラベルはどういったものですか

     航空危険物独自の危険物であるUN2807磁性物質(Magnetized material)はクラス9の危険物で包装等級はありません。 ハザードラベルは磁性物質用の特別のラベル、IATA危険物規則書 第7章 7.4.1にある白地にブルーの磁性物質の取り扱いラベルを貼付して下さい。このMAG専用のラベルは危険性ラベルでもあるため、クラス9の危険性ラベルは不要です。

     ラベルには、磁性物質は積載位置について注意しなければならないので「KEEP AWAY FROM AIRCRAFT COPMASS DETECTOR UNIT」(航空機のコンパスに偏差を生じさせるおそれのない場所に積載すること)と特別な文章が印刷されています。

  • ICAO分類・区分:9.その他の有害物件
  • IATAコード:MAG
  • 磁性体以外の、他の危険物はどういったものがありますか?

    代表的なものとしては、  

  • 爆発物:爆薬、花火など
  •  
  • ガス類:エアゾールやヘアスプレー、喫煙用ライター、酸素ボンベなど
  •  
  • 引火性液体類:香水やベンジン、油性ペイント、接着剤など
  •  
  • 可燃性物質類:マッチ、石炭、固形燃料など
  •  
  • 酸化性物質:アンモニア肥料、携帯用の酸素発生装置等
  •  
  • 病毒性物質:殺虫剤、種類によってはワクチンや化学薬品も毒物扱い
  •  
  • 腐食性物質:トイレの洗浄剤やバッテリーの溶液、体温計に含まれている水銀等
  •  
  • その他危険物:車のエアーバッグや電池、磁石、また冷凍食品等の保存に使われるドライアイス

  •  危険物の取り扱いは、航空会社にとって安全運航の根幹に関わる重大な事柄です。
    危険物を航空輸送するには、法令で定められた適切な梱包をした上で、内容物の明細を航空会社に申告することが必要です。

    用語集

    IATA(国際航空運送協会)

    【読み方】 いあた
    【フルスペル】 International Air Transport Association
     世界の航空運輸企業の団体。国際線を運航する航空会社、旅行代理店、その他の関連業界のための国際的な業界団体。
    参考リンク(http://www.iata.org/index.htm

    JACIS(一般社団法人 航空危険物安全輸送協会)

    【読み方】 じゃしす
    【フルスペル】 The Japan Air Cargo Institute for Safety
     安全な航空危険物の輸送に寄与するべく、航空危険物規則の理解と普及活動を行っている日本の団体。
    参考リンク(http://www.jacis.org/

    ICAO(国際民間航空機関)

    【読み方】いかお
    【フルスペル】 International Civil Aviation Organization
     国際連合の専門機関の一つである。主な業務として国際航空の安全と能率化のために、航空保安施設、空港施設、航空規則、航空交通管制方式、通信組織、航空機の登録・識別、気象情報の収集・交換、航空図、国際航空運送、税関出入国手続きなどについて国際標準、ならびに勧告方式の採択を行っている。
    参考リンク(http://www.icao.int